うちわと言えば香川県丸亀市が有名ですが、丸亀市には港近くにうちわミュージアムという施設があります。中はそれほど広くもなくこじんまりとしたところですが、意外と人は入っているようです。昔ながらの竹の骨組みのものから最近のプラスチック製までいろいろあります。
ここにはもう一つ、一環張りというものが置いてあります。古い和紙を貼り重ね柿渋を塗って仕上げたもので、菓子鉢などの器として古くからある伝統工芸品です。柿渋の色越しに古書の文字が透けて見え、とても趣のある古い感じのする器に仕上がっています。私は、この技法を使った柿渋うちわを時々買いに来ます。子供の頃は、五右衛門風呂だったので、どこの家庭にもあったのですが、今は殆ど見かけなくなりました。
柿渋うちわは、普通のものより腰が強く丈夫で、火を起こすのに最適です。我が家ではバーベキューなど、アウトドアの必需品となっています。炭火をパタパタするとあっという間にメラメラと赤い炎が揺らぎ始めるという強力アイテムです。腰のある竹の骨と、網目状のタコ糸で補強された紙、その組み合わせが、このしなやかな強さを生み出すんですね。
でも、この伝統工芸も時代の波で危機に瀕して来ました。後継者不足もそうですが、材料も減って来ているようです。貼り重ねる古書が非常に減ってきており、貴重品になっていること。また、竹林がこれまた後継者不足で荒れ放題となり、良質な竹が少なくなってきているそうです。伝統ある丸亀のうちわを何とか後世に残していきたいものです。